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2016/08/19 06:40

白磁のお皿に、愛嬌のある絵付けがされています。
これらは九谷焼の新しい試みである、転写シールを使用した「KUTANI SEAL」の製品です。


九谷焼は加賀藩(現在の石川県)で始まり、長い間手描きによって絵付けがなされてきました。
その精巧で華やかな絵付けゆえに人気が出たのですが、とても時間がかかるため、需要に製作が追いつかなくなってしまいました。


昭和50年頃から転写技法が九谷焼に広まり、転写の九谷焼が全国に普及してゆきました。
転写といっても、九谷焼と名乗るものは釉薬の主成分が同じものを、九谷焼の特徴通りに厚みを持たせて焼き付けています。
下地となる磁器も、九谷焼産地南加賀で焼かれたものを使っています。


現在一般的な百貨店ならば、九谷焼の転写と手描きの両方を、少しずつでも見ることができるでしょう。
転写の九谷焼は2千円前後、手描きの九谷焼は安くても5千円以上というのが、おおまかな目安のようです。


しかし、転写がこれだけ普及しながらもそのことが明記されることはほぼ無く、それでも隠している訳ではないので知っている人は知っているという妙な状況になっており、そのことで九谷焼はいろいろな誤解を招いています。
転写の九谷焼を手描きと思ってお客様が買ってしまったり、逆にせっかくの手描きを転写と思われたり、外国産の九谷焼風の粗悪品を九谷焼と思われる等の問題が出てきています。


これらの問題だけでは無く、平成に入り徐々にライフスタイルの変化などからも九谷焼の経営は厳しくなって行きました。
九谷焼窯元の若い後継者が、自分の世代で伝統工芸として残されてきたものを終わらせたくない、と考え、日本のモノづくり経営コンサルタントと共に、九谷焼で数々の新しい挑戦を始めました。
「KUTANI SEAL」もそのひとつです。


窯元にとってマイナスイメージの転写を、あえてオープンにして転写ブランドとして立ち上げました。
「九谷焼をみなさんの身近に」と、現代の生活に合ったデザインの製品と、気軽に楽しめるワークショップを企画し活動しています。